youtubeで聞いたんだけどスタバでは、4種類のサイズがあって、一説によれば、一番デカいサイズと一番小さいサイズとで挟み込むことによって、一番お手ごろな価格の最小サイズではなく真ん中を選ぶ心理が働くようになっているそうです。それによって客単価をアップ狙えるというわけらしいです。一説というか、きっとどこもこういう事は定石として当たり前に実施されているのであろうけども。
ということで今回客単価についての記事です。
従来の「売上=客数×客単価」
客単価を安くして競争力をもって客数規模で取り返すという戦略が、近年のインフレによって封じられている。地上におけるその戦略の代表が、規模の王様である中国市場だ。その中国市場が崩壊しているのがこの上ない証拠といえよう。
まぁ証拠になるかどうか議論は置いておいて、とにかく売り上げ=客数×客単価なので、インフレによって客数(規模)に頼ることができないとなると、あてにできるのがあと客単価しかない。客単価の方が上がらないことには、売り上げアップにつなげられない状況にある。そこで、一例として編み出されたのが、スタバの真ん中を選ばせ客単価アップ作戦であろう。
一部の企業では、方法はどうであれ客単価を上げるのに成功している。しかしその客単価アップが本当にインフレに対して有効打であるのかだ。
売上=販売個数×平均価格
今回用意した結論を言えば「客数×客単価というのを一旦やめて売上=販売個数×平均価格で考えるべきである」だ。
客単価の問題点
インフレに対抗するために、あらゆるお店が客単価アップに取り組むわけだが、そこには落とし穴がある。昨日食べたマク〇ナルドのセットが例としてはわかりやすい。単品で買うよりもセットで買うほうがお得になるようになっていて、セットにお客の選択を傾かせることで客単価を底上げしている。
マックの場合は単品はもはや、相対的割安に見せる演出をするためだけに比較対象としてメニューにいるのであろう可能性が高い。
セット割引は、よく考えてみれば、単品で買うよりもお得なので、やっていることは、実は値下げの類なのだ。インフレだから、いかに価格転嫁できるかどうかって課題の解決手段としての客単価アップのはずだったのに、実態は値下げしてましたということになる。
これが客単価の騙しだ。
スタバのケースについても、実は、同じようなことが言えて、より大きいサイズを選ばせるということは、規模の経済を働かせようという戦略であるため、結局実態でやっているそれは値下げだ。
客単価が上がってるから価格転嫁ができている優良企業だと、投資家は錯覚をしてくれるので文句言われないで済むであろう。もしくは経営陣と投資家が一緒になって錯覚しているか。知らんけど。
個体数ベース(点ベース)
「合計三点のお買い上げ」の意味の「点」。客数ベースではなく、点ベースで計算してあげれば、客単価の騙しが避けられる。もっと言えば単にポテトと飲み物とハンバーガーの三点ではなく、具材在庫単位で売れた個数を数えることだ。そうすれば確実に価格転嫁が出来ているかどうか可視化される。たとえば新商品のハンバーガーが、ほかのハンバーガーの平均より具材が種類と数が増えれば、手間がそれだけ増えてるはずで、それを同じハンバーガー一個として数えてしまうことで手間がかかっていることが隠れてしまうのを防ぐ狙いだ。
そういう意味で売上=個数×その平均価格で計算するようにすべきなのだ。要は、セット販売や多種類の材料を抱き合わせた構造の商品のような複合的なものが指標を曇らせているのだ。
書いてて思ったのが、セット販売問題は、ふとサブプライムローン問題を連想させる。
日本のデフレ体質
日本は鎖国をしているわけではない状況で、世界はインフレにずっとあったわけなのに、どっぷり世界の中にあるはずの日本経済がなぜかデフレ体質であったからくりの一つが、客単価の騙しであったといっても、何らおかしくはない。インフレにさらされているにもかかわらず、むしろ値下げをする日本経済を支えてきた、ブラック労働がある。そしてブラック労働が医療負担を増大させ、財政がもたぬとして増税という話になって、という日本物語が、、、。